職場における“インテンシティ”の高いチームとは

研修・人材育成関連

スポーツ関連の仕事をしていると各スポーツによって色々な表現や考え方の違いに触れる機会があります。ビジネスの領域において、サッカーの考えを転用している企業のトップの方にお会いした時に「稼働時間の中で、各社員にはインテンシティを高めて取り組んでもらっている」とおっしゃっていたので記事にまとめてみようと思いました。

インテンシティ

Intensityは強度や激しさを意味する英単語です。サッカーにおいて“インテンシティを高める”とはフィジカルそのものを高めるのではなく、プレーの強度を高めることを指します。サッカーの文脈であれば、スプリントする回数を増やす、走る距離を長くする、走るスピードそのものを上げることがこれに該当するようです。また肉体面のみならず、状況判断などを意図的に早めるなど、思考面においても使われているようです。

仕事におけるインテンシティを高めるとは

サッカーの試合時間が90分強であるように、一日の活動時間も区切って業務に取り組む。例えば多くの会社員であれば8時間の活動の中のパフォーマンスの強度を高めるといった意味合いです。これは必ずしも、仕事に集中する時間を増やすだけでなく、効率的に休憩を取ったり、スケジューリングの方法により、集中できる環境(時間や場所)を整えることも含む。会話の中で、サッカーの例を用いて以下のように説明していました。

「サッカーは22名がピッチ上にいて、90分強の時間で試合は終了しますよね。その中で各選手が均等にボールに触れたとしても、一人あたりのボール保有時間は数分程度。ほとんどの時間はボールに触れていないことになります。さらに言うと、ピッチ上でも休む時間が存在することになります。“攻め”の時間だけにフォーカスするのではなく、しっかり休んだり、無駄なところで意志や体力を浪費しないことも重要になります。最終的に勝つために、仕掛けるところを的確に判断して一気に畳み掛けるチームはサッカーのみならずビジネスにおいても“強いチーム”だと考えています。」

仕事も限られたリソースの中で、どこにフォーカスして一気に勝ちを手繰り寄せるかをチーム単位で考え実践していくことが大事ですね。

具体的な行動

チームで一つ、全員が絶対に実施する項目を期限付きで実施するのが効果的だそうです。例えば、上司との面談を週に1回15分、3ヶ月間実施すると決めたら、例外なしで実施することが重要で、多くの場合は、一見すると簡単そうに見える約束事でも、必達までもっていくのが難しい。チームで決めたことを必ず全員が実施することが一つできると、その原体験から次の約束事に移行する。この地道な成功体験はチームでの決め事を必ず守ることから、チームで結果を出すための必須の行動指針に変わると言います。

まとめ

インテンシティの高いチームとは平たく言えば、メリハリをつけて仕事をしている組織であるということです。ただ、それが個人単位ではなく、チーム単位で連動していることが重要になってくると思います。一度チームで決めたことはメンバー全員が必ず実施することも重要だと感じました。
さらに、大事なことはチームでどのタイミングで一気に攻めるかという共通認識が強化されていくこと(暗黙知に近い要素)。それは、いつ緊張の糸を緩めるかの裏表とも言えます。シェアードリーダーシップのように若手とベテランに関係なく、主体的に行動することの重要性が高まっていると同時に、リーダーがモメンタムをつくりだせるチームを作りの重要性のようなものを感じました。この“勢い”の生成や感覚を手に入れることによって、多くの人が働くことの楽しさを実感できるのではないでしょうか。インテンシティの高いチームを作れるか否かは、上の立つものの一つの能力だと考えます。

足立 潤哉

足立 潤哉

人材育成を生業としている30代後半の管理人が、純粋に“善い”と感じたものを残していくためのブログです。 活動拠点:茨城県つくば市

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