早いもので2023年も1ヶ月が終わろうとしています。年末年始に久々に地元大阪に帰省して、たくさんの友人と会うことができました。いつの間にか狭くなっていた世界観、経営観を客観的に捉える貴重な時間となりました。ブログもずいぶん更新していなかったことを反省して、2023年の第一弾を書きたいと思います。では、本題に入ります。
バタフライ効果(エフェクト)とは
気象学者エドワード・ローレンツ氏が1972年に行った講演で話した『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』の内容に由来しています。
大気の対流が決定論的な微分方程式に従うにもかかわらず、数値計算の精度をいくら向上させても事実上正確に予測できないカオスの性質をもつことを象徴的に表現したものとして知られていますが、これはローレンツ氏の実体験がベースにあるそうです。コンピュータを用いて長期の気象予報を計算していた際にシステムダウンにみまわれ、やむなく再計算を行ったところ、再計算の際に含まれていた小さな入力誤差(これを分かりやすく、一匹の「蝶」になぞらえている)が、全く異なる将来の予報につながることから、この一連の流れが概念として世に広まっていきました。
不確実性の高まり
以下のグラフは世界の不確実性指数(World Uncertainty Index:政策をめぐる不確実性や経済 の先行き不透明性を定量化した指標)を表したものです。新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)、リーマンショック、東日本大震災などが象徴するように、明日何が起こるか分からないことを私たちは体験的に理解できるようになったと思います。それは近未来に予想だにしていない“何か”が起こることへの不安を、多くの人が潜在的に抱えやすくなっていることに繋がっているのではないでしょうか。
(注) 世界142国を対象に、四半期ごとのEconomist Intelligence Unit(EIU)国別レポートにおける「不確実性」(及びその類義語)の使用頻度をカウントを作成した 指標。各国GDP比の加重平均。
(出所)Ahir, H, N Bloom, and D Furceri (2018), “World Uncertainty Index”, Stanford mimeo.(2020年4月5日更新)、
Scott R. Baker, Nicholas Bloom, Steven J. Davis, Stephen J. Terry“COVID-INDUCED ECONOMIC UNCERTAINTY”を基に作成。
出所:経済産業省 第3回産業構造審議会 基礎資料 (2020年5月)
予測がつかない未来に向けてどのように準備できるのか。不確実だから未来を描くことを諦めるのではなく、予定調和にいかないからこそ、理想の未来をそうぞうして、それに向けて今をつくることに対する抵抗が薄れているように感じています。未来をつくるという言葉に現実感が帯びている感覚です。ジョン・デューイ氏が提唱した「経験の連続性」と重なるところがあります。経験は時間的な連続関係をもつため、先行する経験は後続する経験の質に影響を与えざるをえない、といった意味で、絶対的な正しさがないことを理解しやすい現代において、一人ひとりの善悪の判断の許容度が高まり、“自分のモノサシ”の価値が高まっていると思います。
Everything is connected to everything else.
タイトルの英文は、独立する前にメンターに言われた言葉です。単一的な答えがなかったとしても、多くの人が「美しい」「素敵である」「素晴らしい」と思うことがあるのも事実だと思います。日々の中でその感覚が研ぎ澄まされていると、どのような結果になったとしても、自分の中では納得することができます。今年のテーマは「肚落ち」です。頭(Head)での理解から肚(Hara)へ落とし込めないものは、結局役に立たないと多くの経験を経て分かってきています。2023年透明性を高めて活動を続ける必要があり、一人でやるのではなく仲間と一緒に清く前に進みたいものです。
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